八ヶ岳・赤岳



初日、快晴の中スタート。空は青く、空気も澄んでいて非常に気持ちがよい。
今日は赤岳鉱泉までのアプローチ約2時間程度。慌てる事もなくゆっくりとアプローチします。
雪をまとった樹林帯と空の青のコントラストは本当に見事。



山の奥まで入ると先日の大雪を物語る光景が出てきました。
雪が木を押しつぶそうかと言うほどの重量感のある光景。山での大雪は下界の想像をはるかに超えています。
しかし真っ白な雪と空の蒼とのコントラストが実に美しい。
赤岳鉱泉に着くと明日登る赤岳が見えます。
天気は晴天ですが、この日の冬型は強く、稜線上は先日の大雪を吹き飛ばすほどの強風。
晴天とは言え冬山を侮ってはいけません。


赤岳鉱泉での雪山講習

◆明日の登山に備えて冬山初心者のAさんにアイゼンとピッケルワーク講習。 
この日はマンツーマン(普段は最大定員は2名まで。)での練習ですから、お客様の技術習得状況に合わせて、個人的なアドバスも交えながらじっくり講習。
初日の講習は簡単なものではなく、お客様に確かな技術を身に付けて頂くために、じっくり練習して頂きます。
赤岳登頂より初日の講習の方が大変だったと言う方もおられます。
とにかく雪山では、確かなアイゼンワークとピッケルワークがひとつの生命線、教える私の方も真剣です。
やはり道具は使いこなせなければ役に立ちません。
ちょっと大変ですが、頑張りましょう。



翌日は快晴の中、登山開始。
地蔵尾根から登り始めると左手に大同心や小同心が迎えてくれます。



樹林帯をぬけると急な雪の斜面が出てきます。
息も上がりますが、その分標高は上がり、周囲の景色は開けます。


つらい急登をこなし稜線へ上がると風も強くなり、体感温度もグッと下がります。
しかし、晴れていればこの辺りから太陽が登山者を迎えてくれ最高に気持ちが良いはず。
登山はつらいことばかりじゃありません。。つらさに比例して素晴らしい世界も待っているのです。


稜線上に立つとすぐ近くに展望荘が見えます。
氷漬けになった小屋は寒々しいが、小屋の中は冬季小屋とは思えないほど温かい。
小屋が営業していればここでゆっくり休んでから頂上へ行く事もできます。



小屋でしばし休憩の後、再び赤岳を目指して歩き始めます。
展望荘からとレースがあれば30分から40分ぐらいでしょうか。
冬はこの辺りが非常に風が強くときに吹き飛ばされそうになることもあります。
そんな時はゴーグルが絶大な力を発揮します。
風に吹かれながら、時に立ち止まっては周囲の景色を楽しみましょう。
慌てて登る必要はありません。
一歩一歩前に進めば頂上には必ず辿り着くのです。
諦めずに登りましょう。



憧れの赤岳の頂上。
お客様は雪山は初めてだが、きっちりと講習会や安全対策を怠らなければ八ヶ岳の赤岳にだって登れるのです。
もちろんそれに伴う体力が必要です。
でもそれ以上に必要なのは「登りたい!行ってみたい!」と言う気持ちでしょうか。
それさえあれば、後はガイドの私にお任せ下さい。
それに合わせたアドバイスと初日のみっちり講習で技術を身に付けることができます。

頂上からは北アルプスをはじめ南アルプスも見えます。
山梨側には雲の上にぽっかり富士山も浮かんでいました。


風の当たらない岩陰に腰掛けて周囲の景色を心行くまで楽しんで下山。